「コメディを作りたい」と思い立つ。
過去に作った演劇の台本で面白いのがあったので、それをベースにしたコメディドラマの企画を立ち上げることにする。
その日のうちに脚本を書き始める。
※ポイント
・思い立ったが吉日。なるべく早く取りかかる。
ボイスドラマの作り方
桜田麩が実際に企画者として制作したボイスドラマ「BROTHER」を例に取り、ボイスドラマが出来るまでの道筋を解説します。←の「活動者編」「企画者編」の内容を踏まえた上で読み進めるとよりわかりやすいです。自身の立場にあったコンテンツをチェックしてみてください。 4/28 企画立案・脚本制作
「コメディを作りたい」と思い立つ。
過去に作った演劇の台本で面白いのがあったので、それをベースにしたコメディドラマの企画を立ち上げることにする。 その日のうちに脚本を書き始める。 ※ポイント ・思い立ったが吉日。なるべく早く取りかかる。 4/30 スケジュールの決定
全ての場面を書き終え、一応起承転結が出来上がる。
別のネットラジオ番組の収録の際、相方のミュージシャンにラジオドラマの話をする。 主題歌の他に、今回はBGMも作ってくれるとのこと。 彼は主題歌だけなら1週間で作詞、2週間前後でミックスダウンまで終わらせられるが、BGMは初の試みということもあり所要時間が未知数。 そこで大体どれくらいで作れそうかを聴取したところ「1ヶ月程度欲しい」との答えが。 今回の素材で最も時間がかかりそうなのがこのBGMになる可能性が高いと判断。 また音楽の場合、作曲してもレコーディングの都合をつけるのが難しい場合もあるため、そういった事情で制作が遅れる可能性も考慮して、制作期間を2ヶ月に設定。公開日を6月21日とする。 ※ポイント ・CV依頼の前に脚本の起承転結が出来上がっている(依頼のために最低限必要なレベルで書き上げてある) ・公開日を決定。これを基準に他の作業をスケジューリングできる。 ・最も時間がかかりそうな楽曲制作を最初に依頼 5/1〜5/6 ボイスコへの依頼まで
基本的には自分を含む内輪のメンバーで配役をしているが、今回は登場人物がやや多いため、内輪だけでは演じきれないと判断。
先に内輪のメンバーに役を振り、空いている役を新しいボイスコに依頼をする形をとる。 こえ部などを使ったオーディションという方法もあるが、今回は全て自分でボイスコを探し、一人ひとり依頼をかけていくことにする。 ボイスコのサイトを集めたサーチエンジンなどを使いネットサーフィンの日々。この時期は明け方までパソコンとにらめっこ。 サンプルボイスを聴いたり、ブログやツイッターの更新状況、受けている依頼の数などをチェックし、それぞれ声にあった役を依頼していく。 今回はボイスドラマのCMを作ってネットラジオ内で放送するため(公開日までのラジオ放送日は6月7日)、CM制作期間も考慮してボイス素材の締切は5月31日に設定。 メールをしても3日以上返事が来なかった方には見切りをつけ、別の人に役を依頼している。 また、残念ながら依頼を断られてしまったこともあった。その時は恨み節を唱えるのではなく、互いに誠意を持った対応をしている。 5月7日に主題歌が届く。これについては彼が早過ぎるのであまり参考にしないほうが良い。また、内輪だからできることでもある。 ※ポイント ・ボイスコのサイトを隅々までチェックしている。 ・メールの返信が一定期間ない、依頼を断られてしまった場合はなるべく後腐れなく見切りをつける。 ・CM制作などまで考慮した締切の設定(よりよい企画進行のための細かい予定も立てる) ・余談だが、ラジオの放送日も隔週土曜日と決めているため今回の予定を立てられた。はっきりしたスケジューリングはとても重要。 5/14 ナレーション配役・脚本加筆修正
ボイスドラマは映像がなく、音声だけで全てを説明しなければならないためナレーションは重要。
しかしこの台本にはほとんど入っていないことにあとから気づき、脚本に加筆。同時に別のボイスコにナレーションの依頼をかける。 これだけなら配役済みのボイスコの仕事には特に差し支えなかったが、どうしても入れたいセリフを後から思いついてしまったため更に加筆。 これを正式な完成稿とし、セリフを追加したボイスコへ追加の依頼。まだ納品前だったので、収録の際にチェックするようお願いする。 ※ポイント ・脚本のチェックが甘く、ボイスコにとって二度手間になってしまう危険性があったヒヤリハット。要注意。 5/15〜5/31 ボイス納品
依頼していたボイスが納品され始める。
その日のうちにチェックし、確認完了とお礼のメールを送る。一部リテイクしたいセリフがあったので、リテイク箇所について説明。 31日までにはボイスが全て揃う。 ※ポイント ・メールの返信は即日か1日後。 ・リテイクは腰を低く丁寧に説明。 6/3 CM制作
いただいたボイス素材を使いCMを制作、発表。ネットラジオでも放送。
※ポイント ・予定していた放送日に間に合うよう制作を始める。 6/15〜6/21 BGM納品・作品完成、公開
BGMの納品が当初の予定より遅れていたため作曲者と相談。公開日は伝えていたため、それに間に合うように6月15日を締切として再設定。
それが決定通り納品され、確認しOKを出す。 これで必要な素材が全て揃ったのであとは編集。 編集についてはそれぞれが使っているソフトの使い方を模索してください。ちなみに桜田麩も波形編集の仕事を受け付ける準備中なのでご相談ください。 6月18日、作品が完成したのでボイスコやラジオのスタッフに報告とお礼のメールを送り、先行公開する。 6月21日、予定通り公開。 ※ポイント ・納品が遅れる可能性まで見越した制作スケジュールを設定したため、BGMの納品遅れに対応できた。 ・完成の報告と協力していただいたお礼は迅速に行なう。 以上がひとつのボイスドラマの制作フローです。 重要なのはまず確実なスケジュールを最初に設定すること。そして素材を受け取ったことへの責任をしっかりと持つこと。 気持ちがあれば企画倒れは起こりません。 制作は大変なこともありますが、とても楽しいものです。ぜひ参考にしていただき、素敵な作品を作り上げてください。 |